お首が長いのよお首が長いのよ

チラシの裏

2025-07-13

E級審判ライセンスを取って2ヶ月後、意図せず審判デビューした

遅かれ早かれ笛を吹くつもりではいたのですが、ちょっとした手違いで練習試合の審判を担当してきました。

案の定、ボロボロだったわけですが、振り返りと記録も込めて恥を晒していきます。

背景

こちら JBA の E級審判ライセンスを取得してみた にもある通り、5月に審判ライセンスをとったわけですが、先日ワッペンが届き、「試合もっとみたいし、笛も吹いてみたいけど何からやればいいんだ?」という状態でいました。

クラブに所属しているわけでもなく、子供がいて部活動などで試合を観にいく機会があるというわけでもない、Bリーグの観戦以外ではバスケに全く縁がない状況です。

何か自分からアクションを起こさないとこの状況というのは変わらないと思っていたので、ひたすら機運を探っていました。

Team JBA から講習会を見つける

ふと Team JBA から講習一覧を眺めていると、直近で「JBA公認E級審判 強化研修会 開催要項」という講習の募集が始まっていました。

近場だし、講師も「JBA 公認審判インストラクター」が参加するらしいし、講習から実技もやるみたいだし、なんらかのコミュニティに繋がるきっかけにもなりそうだしで、チャンスだと思いました。

申し込みを完了して受講料1,100円+手数料も支払った後、後は日を待つのみで、ひたすらマニュアルや競技規則、YouTubeでさまざまな動画を漁って当日に備えました

嫌な予感

当日、会場が近場といいつつ車じゃないとキツい立地だったので車で行こうかと思ってましたが、色々考えた結果タクシーに。

会場である某市の高等学校に着いた時、いやな予感がしました。

「保護者が多い・・・」

こういう時って、その学校で他校を招いた大会みたいなのをやる事多かったよなという15年近い記憶が甦りつつ、案内役の学生に受付の教室に連れて行ってもらいました。

学生たちの挨拶が元気よくて眩しい

道中、すれ違うスポーツ学生の子達が「こんちは!!!!」と元気よく挨拶してくれました。輝くしくて眩しかったです。学生の頃は「単なる挨拶やんけ!そんな大きな声で挨拶して何になるんだろう」ぐらいにしか思ってなかったんですが、実際歳を重ねて若者に元気に挨拶されると、「頑張れ!」とか、「この子達の活動を応援したい!」という気持ちが芽生えます。あいさつってだいじ。

すでに始まっている・・・?

案内された先の「審判控室」の張り紙。そして近くにいる保護者の方々。「あ、審判さん?ご苦労さまです!」とワラワラと声をかけてくださる。先ほどから続いている嫌な予感は高まり続けるばかりです。

張り紙が貼られたドアからは、講師っぽい人の声が漏れてきます。めっちゃ講義というか、教室で教卓から大勢に向かって話している感じの声が聞こえてきます。最悪な予感しかしません。

ちょっと入るのを躊躇った後、入ったらすでに始まってました。8時受付開始、8時15分開講式というスケジュールで、7時50分にはその教室の前にいたのに、「もう始まっている」んです。自分の知らない何かが。本当にわけがわからない。

教室の後ろに立っているサポートの人に案内いただき、後ろに座りました。話していた内容は、E級審判取得時にも受講した e-Learning の内容でした。

「あ、講習というのは間違ってなかったんだな」と若干安心しつつ、終わり際に更に追い討ちをかけるように混乱する事態が起きました。

「はい、じゃあ今からプリントを回すので、自分の名前に丸をつけてください。今日は9時から試合が始まるので、そこで審判をしてもらいます」

え?座学の後いきなり審判? 練習試合や公式戦やる前にもうワンクッションあるかと思ってたけどそうでもなさそう? 

そもそも自分の今いる場所で行われていることが、予想より早く始まっていることもそうだし、自分の他に受講者が1人しか申し込んでいないので2人だけしか存在しないはずなのに、5〜6人の経験者っぽい人たちが集まっている状況で、「本当にここで合ってるのか?」という混乱しかなかったです。

そして回されたプリントをみて、混乱は更に続くこととなりました。

自分の名前がない

自分の名前が一覧表にありませんでした。見せられたのは、「〇〇高校 vs 〇〇高校」の組み合わせ表がタイムテーブルとして並んでおり、その試合に対して CC、U1 が割り当てられているものでした。

会場に着いた時の嫌な予感は当たっていました。ゴリゴリの高校生の大会試合の日です。そこに講習要素はほぼゼロで、実務が99%のスパルタ式、しかもE級向け要素はなく周りはC級D級の審判団達が集まる場でした。

いきなり公式戦の試合をやるのかとビビりながら表を眺めましたが、自分の名前がありません。ほっとした反面、「あれ?じゃあ自分は何故ここに?」という混乱は続きます。

一通りの話が終わった後、講師の人に駆け寄り、事情を説明した上で、自分の名前がないことを話しました。

すると、「あ、そうなんですね! じゃあ、9時の枠で練習試合があるんですが、そこで審判やってもらってOKです!」という流れで、練習試合とはいえ、いきなり審判を担当することとなりました。

緊緊の 50 分

上記案内があったのは、私が部屋に入ってからちょっとした 8時10分ごろ。

とりあえず腹を括ってレフェリーウェアに着替えました。練習試合の会場に着くと、もうアップを始めています。

TO に行き、担当している学生たち、顧問の先生に事情を伝えると、主催高の学生の子が主審として動いてくれることとなり、私は副審として試合をみることに。

ただ、ここでコミュ力パワーの 1/3 を使っているので、頭はすでに混乱とパニックです。試合開始時の流れはどうだったけとか、そんなことも思い出せなくなってきています。

そんなこんなで、コートに足を踏み入れるのでした。

完全アウェイな気持ちの中、試合が開始

試合開始時、副審は TO 前に立ち、ジャンプボールを見届けます。

どちらがボールをコントロールしたのかを確認した後、ポゼッションアローという札の向きが正しいか TO 席をみて確認してから リードオフィシャル(LO)として持ち場に移動します。

ここは非常によくできていたと思います。

ただし、体育館の2階をふと見上げると、保護者たちの見学、チームベンチを眺めても知らない子たちが自分の立ち振る舞いをめっちゃ見ている、そう感じた時に緊張は大爆発しました。

方向が、背番号が、わからない、なので吹けない

問題はここからで、高校生のバスケって試合展開が非常に早く、まだパスやドライブも伸びしろしかない状況なので、すぐに攻防が入れ替わります。

普段Bリーグの試合を見るのと違って、見慣れない二つのチームが試合をしているので、「青」とか「白」のようなゼッケンの色で考えなければいけません。

これが非常に混乱の原因でした。

序盤に アウトオブバウンズ をみて笛を鳴らしたのはよかったのですが、「どっちが攻めてたっけ?」「その結果、どっちがラストタッチで触ったんだっけ?」「指差す方向ってスローインする側だけど、結局どっちなんだっけ?」と、頭の中で色々な思考が巡ります。

その時に正しい方向を指差せたのはよかったのですが、この思考が巡ってからは急に自信が持てなくなりました。

ファール

ファールを吹く難易度っていくつもあって、「今のファールでいいのかな?」という自信のなさや、「そもそも見れていない」というもありますが、自分の場合は「吹いた後に、誰がファールしたのかわからなくなり、選手の番号をレポートできるか不安になる」という状況で吹けなくなりました。

完全に場数不足感はあります。もう少し気持ちがなれてたら「番号見せて」とか言えたのかもしれません。

それでも1度も吹けない人がほとんどの中で、せめて一度だけ、と頑張ってレフェリーしたのですが・・・。

笛は吹かないし動作もおぼつかないが、「ただ全力で走るおっさん」が爆誕

上記の通りで、予想した通りに自分の不甲斐なさは感じていたのですが、せめて「あいつ全然ダメ審判だけど、ちゃんとやろうとはしているよな」感は出すために審判らしいプレゼンテーション(振る舞いの見せ方)は徹底しました。

むしろ、それすら出来なくなったら何がやれんの、ってレベルだと危惧したので・・・。

上記の反省に加え、後から考えると ショットクロック、ゲームクロック、チームファウル数をみれたらな、と思うことはありましたが、そんなこんなで 40分、やろうと決めたことだけをやり続けて終えました。これは完全に竜三親分のおかげです。

ひたすら見学

苦い経験でしたが、「まぁ、いきなりやらされたら、そりゃそうだろ!!」という気持ちもあったので、もっと上達したいという気持ちがシンプルにありました。

公式戦が行われている方の体育館に入り、ステージで様子をみていた講師のもとにいき、色々感想など伝えた後、「邪魔じゃないところで見学させてほしい」と伝え、その後はひたすら他の審判団のレフェリーを眺めていました。

もちろん、その方々にもご挨拶と事情を説明した上で。みなさん快く受けてくださって、試合終了後の振り返り会にも混ぜてもらったりしました。

あーこういうところ見てるんだな、とか、さっき自分ができていなかった立ち回りはココだったんだなと思った部分をひたすらメモしていました。

機会がない状態で審判経験もゼロという自分が、このあとどういうアクションをすればいいのか、誰に連絡をとればいいのか、という相談にも乗ってくれました。

自分と同じく「何も経験ないけど、飛び込んだ」という人も案外いて、同じ境遇と感じてか暖かく迎えてくださった、という感じです。

混乱と緊張が続く1日でした。

ただ逆に、こんなに辛かったのでその分、せっかくなので、もっと突き詰めてやっていって、このアウェイな気分が良いきっかけに繋がったと思えるように今後も活動できたらなと感じました。今日はこれでおしまい。

/ 以上

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